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2012年10月

蒼国来さんの裁判、本日、結審を迎えます

今日、蒼国来さんが土俵復帰を目指して戦ってきた裁判が結審する。第1回公判は昨年7月14日だったので、戦いは1年以上に及んだことになる。最初に取材で話を聞いた時、「解雇と言われた日は悔しくて眠れなかった」と、「冷静に」話してくださった。

最初は「そうだよなあ。自分はやっていないのにやったと言われたら悔しいよなあ」と思うだけだった。だが、裁判をずっと傍聴してきて、「悔しくて眠れなかった」の一言に込められた意味が、ものすごく重いものだということがわかってきた。そしてそれは、私の中でも怒りに変わった。

最初からクロと決めつけての調査。蒼国来さん側は、携帯電話や預金通帳を調べてほしいと言ったのに、調査委員は調べなかったことも裁判では、明らかになった。こんないい加減な調査で解雇となり、汚名を着せられてしまった蒼国来さんの胸の内を思うと、本当に怒りしか出てこない。

蒼国来さんは中国・内モンゴルの出身。元はレスリング選手だったが「相撲以外のスポーツはもうやらない」と決意して来日したという。自分が相撲で活躍することで、内モンゴルのことも知ってほしいという思いもあったという。一生懸命稽古し、やっと幕内に上がった矢先、今回のことが起きた。

努力して実力をつけ、これからやっと活躍できる、という思いでいたところに、まったく身に覚えのない罪で解雇と言われたとしたら、あなたはどう思うか。しかも、異国の地で。蒼国来さんの「悔しくて眠れなかった」には、こういう意味も含まれている。

取材で「冷静に」語ってくれたのは、ものすごく強い心を持っているからだと思う。でなければ、この長い裁判を戦えないと思う。幸い、蒼国来さんには心強い弁護団がついている。裁判の様子を見ていると、彼らも単なる仕事としてではなく、蒼国来さんを本当に思って戦っているのがわかる。

蒼国来さんは、こんなことがあっても、日本が嫌いになったわけではないという。それは、皮肉なことだけれど、今回の件で、自分を支援してくれる人や、「頑張れよ」と言ってくれる人と、たくさん出会ったからだと言う。こんな一途に相撲にかけてきた青年の思いが届くことを願ってやまない。

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「獺祭」

「獺祭(だっさい)」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。

日本酒の「獺祭」を思い浮かべる人も多いと思いますが、今日は「獺祭忌」のほうの「獺祭」の話。

「獺祭忌」とは、正岡子規の命日9月19日のこと。正岡子規が自分の居を「獺祭書屋」と呼んでいたことにちなみます。

んで、その「獺祭」とは何か。辞書を調べると、「文章を作るときに、自分のまわりに資料となる書物をいっぱい広げている様子」とある。晩唐の李商隠という詩人が、そのようにして詩作や文章を書いていたのだそうです。

ところで、この「『獺』って何?」ですよね。

「獺」とは「カワウソ」のこと。カワウソは、自分が採ってきた魚を自分のまわりに並べる性質がある。李商隠は、自分が周りに書物を広げている様子が、まるでカワウソが魚を自分の周りに並べている様子のように見えることから、自ら「獺祭魚」と称したのだそうです。

我が家も、この連休は、2人そろって原稿書き。まさに獺祭状態でした。^^;

さて、正岡子規の話をもう一つ。

ドナルド・キーンさんが、9月に新潮社から『正岡子規』という本を出版されました。新潮社のPR誌「波」2012年9月号に、俳人の黒田杏子さんが紹介文を寄せています。

「感動した部分」という中に、「画家中村不折との出合いと友情が俳句の歴史を変えることとなった」という一節が。

この中村不折さん、あまり知られていないと思いますが、少なからず縁があって、ひいじいちゃんのいとこ。

書家・画家だった人で、「新宿中村屋」のロゴは不折によるものです。

そのほか、長野のお酒「真澄」のロゴも確か、不折さんの作だったと思う。

台東区に「書道博物館」というのがあって、そこに作品や収集した作品が展示されています。秋も深まってきたし、久々に行ってみようかな。

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