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蒼国来関、勝訴の日――ある勝手連が見たその日(その1)

2013年3月25日(月)、午後3時、東京地裁527法廷――先に着席していたのは相撲協会側代理人3人。いつもと変わらない、やる気があるのか、ないのかわからないような表情だ。

その後、原告・蒼国来関側の弁護士先生方6人と蒼国来関が颯爽と入廷し着席する。蒼国来関は、春らしい薄い緑色の着物姿。頭には力士の象徴である髷がきれいに結われてのっている。だが、眉間にちょっとシワが寄り、口もきゅっと結ばれ、表情は緊張しているように見える。

裁判長が入廷し、冒頭2分、ニュース用の法廷映像を撮るための撮影が入る(これがニュースで流れた映像)。身じろぎするのさえ憚れるような静寂に法廷は包まれた。

撮影が終わり、「その判決」は、2年あまりかかった裁判にしては、あまりにも短く、あっさりと裁判長の口から言い渡された。――「主文。原告の幕内力士としての地位を確認する(緊張しすぎていたので、正確には覚えていないのだが、「地位確認」という言葉が聞き取れた)」。その後、幕内力士であると認定される時期と、その間の給与の支払い金額が読み上げられた。

主文の読み上げは、おそらく2、3分のこと。一瞬、この主文の意味がわからなくて、支援者同士、顔を見合わす。退廷して廊下で、蒼国来関側のF弁護士の「完全勝訴だよ。幕内力士としての地位が確認された」という言葉を聞き、やっと「勝訴」だということが確認できた。

速報を待っている仲間がいるので、「【速報】蒼国来関、勝訴!」をツイートする。が、建物内は圏外なのか、ツイート失敗。5階から下に降りるエレベーターが遅く感じる。建物の外に出てやっとツイートを流すことができた。

地裁の外に出ると支援する人たちが青いTシャツを着て待っていた。支援者たちの前に、勝手連の中心となって活動してきたH氏が「勝訴」の垂れ幕をもって現れる。H氏は、見かけはクールで、普段、あまり感情をあらわにしない印象(心はものすごくアツいのだけれど……^^;)だったのだけれど、そのH氏の目が赤くなっていた。それを見た瞬間、私の涙腺も崩壊した。

続いて、弁護団と一緒に蒼国来関が現れる。支援者から「エンさん、おめでとう!」の声が飛ぶ。その横で、「よかった、ほんとによかった……」と涙を流しながら抱きあう支援者たちの姿。一緒に国技館横で署名活動をした仲間の姿もある。この日のために島根から駆けつけた仲間、乳飲み子をだっこして駆けつけた仲間、来月出産を控える仲間……。

エンさんを囲む支援者たちの姿を報道各社が写真撮影。それが翌日の各社新聞に大きく掲載された写真だ。

判決の際は、実は主文のほかに判決理由が書かれた長い文書が裁判所から渡される。蒼国来関と弁護団はそれを確認してから記者会見に臨むため、地裁を後にした。我々勝手連はそれを見届けて、その足で、相撲協会のある両国国技館に向かった。蒼国来関の土俵復帰を求める、国内外から集まった2万3118名にも上る署名を協会に渡すために……(続く)。

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コメント

やはり、出廷されていたんですね。
じつにリアルな状況が伝わってきました。
スポーツ選手の二年はあまりにも長過ぎます。

蒼国来関の記者会見の清々しい顔が印象的でした。
白鵬の全勝優勝に湧く相撲界ですが、こうした判決に協会側から
はっきりしたコメントをもらいたいですね。

あのドタバタのなかで前理事長の放駒が、事件の解決を急ぎ過ぎ
全てを切り捨てたところに問題があったのでしょう。

応援していて良かったですね。
おめでとうございます。

続きが楽しみ〜♬

投稿: アルキメデス | 2013年3月28日 (木) 21時09分

アルキメデスさん、ありがとうございます。
やっと、やっと、この日を迎えることができました。

裁判においては、外部調査委員がいかにずさんな調査を行い、
証拠もないままに「無気力相撲である」と認定したのか、
その過程が明らかになりました。

蒼国来さんが裁判に訴えなければ、それも闇に葬られて
いたと思います。このことがきっかけとなって、あの時に
辞めざるをえなかったほかの力士の名誉回復のきっかけにも
なるとよいなと思っています。

2年という歳月は、確かに力士にとっては長い期間ですが、
プラスに考えると、この間にケガや痛めていたところが
すっかりよくなったともいえます。むしろ、これから
長く活躍してくれるのではないかと楽しみにしています。

土俵復帰が叶ったら、応援お願いいたします。(^^)

投稿: 青山美佳 | 2013年4月 2日 (火) 17時41分

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