ニュース

蒼国来さん裁判傍聴_本人口頭弁論に行ってきた

先日7月19日は、蒼国来さんの裁判でした。この日は蒼国来さん自身が語るとあって、傍聴席51席は蒼国来さんを支援する人で満杯。せっかく並んだのに入れない人も出るほどでした。

原告側(蒼国来さん側)の主弁論では、故意の無気力相撲をしたと調査委員が認定したもとになった春日錦との対戦について、本当に故意に無気力相撲を取ったのか、ビデオを見ながら検証。

土俵上の細かい動きについて、コマ送りの映像を少しずつ止めながら、

Q(原告側代理人):春日錦はなぜ、不利な体勢になっているのに蒼国来の右腕をつかもうとしているのか?
A(蒼国来さん):必死で残ろうとしているから

Q(原告側代理人):なぜ勝負がついたのに蒼国来は回しから手を離さなかったのか
A(蒼国来さん):相撲のルールでは勝ちが決まったら相手にケガをさせないため、回しから手を離すことになっているが、勝ちたい気持ちが強かったから離さなかった

……など、懸命に相撲を取ろうとしていたことを説明し、2人(蒼国来・春日錦)とも、ガチンコで相撲を取ろうとしていたことを証明していきました。映像を見る限り、蒼国来さんの説明は、まったく不自然なところはなく、聞いていて納得できるものでした。

さらに、調査委員会の調査の詳細についても確認が行われました。「星の精算は金で行った」と春日錦が言っていたとされているため、蒼国来さんは貯金通帳を証拠品として出して検証。清算金と思われる不自然な金の出入りはないことが判明しました(蒼国来さんは、貯金のほとんどを中国に住むご両親への仕送りに使い、その記録は中国にある銀行の送金記録にちゃんと残っている。その送金記録も証拠として提出されました)。

また、調査委員会は蒼国来さんが「通帳を調べればわかるから調べてください」と訴えたにもかかわらず、通帳を調べることさえせず、ただ「クロだからクロ」と引退を迫った、ということも明らかになりました。この件だけみても、いかに杜撰な調査だったかがわかります。

一方、協会側の反対尋問では、上記の杜撰な調査をもとに調査委員会がまとめたという報告書をもとにして、「早く昇進したいとプレッシャーを感じていた、と述べているが、そのために八百長をしたのではないか」とか、妄想ともいえる推論を蒼国来さんにぶつけ、ことごとく論破されていた印象。相撲内容についての尋問でも、相撲に詳しい人からすればトンチンカンとしか思えぬ質問を繰り返し、傍聴席(相撲をよく見ている人多し)からは、幾度となく失笑が漏れました。

一番笑ってしまったのは、蒼国来さんの過去の戦歴を聞いていく場面で、協会側が突如、証拠として出してきたのが「Wikipedia」の蒼国来さんに関するページをそのままプリントアウトしたものだったこと。Wikipediaを裁判の証拠として出すってさー、どんだけ……(以下略)。もちろん、これにも会場から盛大な失笑が聞こえました。

裁判はすべて日本語で行われました。蒼国来さんは日本語が流暢すぎるので、ともすると、日本語が母語ではないことが忘れられてしまう。先に挙げた「プレッシャー」という言葉も、彼の話の文脈をとらえると、「頑張らないといけない」ぐらいの意味だったように思いました。それなのに、その言葉を表面的にとらえて妄想推論をぶつける協会側代理人。蒼国来さんは、それにもちゃんと丁寧に、誠実に説明していましたが、ここは母語ではないということを考慮しないと可哀そうだ、と思った次第です。

またまた長文になってしまいました。裁判は10月まで続くことになりました。引き続き、応援します。裁判の記事、サンスポにも出ました。参考まで。

追記:新聞記事の「涙ながらに」という表現。弁論の間、ずっと涙を流して語っていたようなイメージになるけれど、そうではなくて、終始、冷静に、丁寧に答えていたのが実際です。

涙が流れたのは、主弁論の最後に「何か言いたいことはあるか」と尋ねられ、「調査委員の調査は許せないし、頭から離れない。(ここで声がつまる)真実が明らかになるまで諦めない」といった、本当に最後の一瞬のこと。

これまで知る限り、いつも気持ちが安定してて、あまり感情をあらわにする姿は見たことがない(弁護士さんもそのように言っていた)のですが、いろんな思いがあって涙が堪えられなくなったのだ、というのが、見ていた私の印象でした。

さらに追記:この文章を、老叮噹‏さんが中国語に訳してくださいました。→ コチラ
老叮噹さんも同じく、蒼国来関を応援してくださっています。
中国語を解する方がいらしたら紹介してください。

| | コメント (2)

3.11から2週間

あれから2週間ですね。

余震で身体を揺さぶられ、次々と起きるさまざまなことに心を揺さぶられ、今も揺さぶられ続けてます。

若頭(豊)が教えに行っている日本語学校は、授業最終週の1週前でした。
電車もちゃんと動かない、という情報が入って、14日の月曜日の授業は取りやめに。

安否確認と連絡を兼ねて、担当するクラスの学生に、
「月曜日は授業は休みです」と電話すると、
学生は電話口のむこうで「やったー♪ ラッキー」的な反応。

「まったく・・・」と苦笑しながらも、それほど怖がっていないことに、
内心ほっとしたりしていました。

ところが、原発事故の深刻な状況が徐々に明らかになるにつれて、事態が変わってきました。

授業は結局、卒業式まで行わないことが決まり、その連絡をすると、卒業式を待たずに帰国する、という学生が続出。

電話口の向こうで、「親から『帰国せよ』と言われた」「放射線が怖い」といっている様子が伺える。

「絶対安全」とはいえないし、無理に引きとめることもできない。もちろん、帰るという彼らを責めることもできない。

海外では、一部メディアで今回の原発事故を、かなりセンセーショナルに報じているところもあり、そういう影響もあるのだと思います。

原発事故が収束すれば、パニック状態は徐々に収まると思いますが、ダウンしたイメージをどう回復するか、今後の課題は重い。きっと回復するとは思うけど。

・・・・・・

一方で、外国人の方から「日本に残って頑張る!」という声や励ましも、直接、間接的にもらいました。ありがたい。crying この場を借りてお礼!

●それと、大事なこと、書き忘れた。
帰国する学生さんの中には、「先生、もし日本に住めなくなったら中国、来てください」と言ってくれる学生も何人もいました。ありがとう・・・。

さて、今日も仕事開始。

| | コメント (2)

「多言語・情報弱者対応災害支援リンク集」ができたみたい

多言語・情報弱者対応災害支援リンク集ができたみたい。
前のエントリで紹介したものも含まれている。

かなり充実しているので、あらためて紹介しておきます。

●多言語・情報弱者対応災害支援リンク集
Links: Disaster Support Multilingual Information / Support for Information Challenged People
網站彙整: 多語種災害救援資訊/為信息弱勢群体的災害救援服務

http://www.chilin.jp/dz/dz.html

★3月20日 午前9時追加

●指差し会話帳。語句やイラストを指さすだけで、誰でもカンタンに会話が出来る本。イラストがダウンロードできる。
英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、インドネシア語、フィリピン語、ベトナム語

http://www.yubisashi.com/free/t/20110314/
株式会社 情報センター出版局提供。

●法務省 入国管理局
日本で被災した可能性がある外国人の家族の方へ。日本から出国しているかどうかについて、法務省が外国人のご家族等からの照会に応じています。
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisai0001.html

| | コメント (0)

地震に関して外国人のために役立ちそうなHP

外国人留学生のために、役立ちそうなサイト、まとめた。

ツイッターでは気づいたものを、リツイートして流したが、まとめとこう。早く気づけばよかった。

●東京外大やその他大学の学生が中心となって、Twitter上での発言などを元 にまとめられた簡単な地震時の行動マニュアルが20以上の言語で制作されている。 → http://ht.ly/4d0kI

●弘前大学・佐藤和弘先生の社会言語学研究室のサイト → 
平成23年東北地方太平洋沖地震における「やさしい日本語」支援について http://bit.ly/e0dIlK

●日本の鉄道運行情報を英語、中国語、スペイン語で提供している NAVITIME
http://bit.ly/eM0UnL

●東北地方太平洋沖地震外国人被災者のための「多言語ホットライン」
受付時間9~20時。ポルトガル語080-3486-2768/スペイン語080-3454-7764 http://bit.ly/euNpNa

●survive, Japan/wiki with designs/food/ideas created in the earthquake stricken areas
https://sites.google.com/site/oliveinenglish/
日本語版と英語版あり。シャツを利用して生理用ナプキンを作ったりする方法なども。日本語版のほうに、韓国語と中国語もあります。

また、有益なサイトが見つかったら、順次追加します。

★追加(2011年3月16日 16時30分)

●凡人社 「東北地方太平洋沖地震に関する外国語による情報提供」
http://www.bonjinsha.com/news/news_id=120
※以下、とりあえず抜粋して、リンク張っておきます。

●宮城県災害時外国人サポート・ウェブ・システム
日本語・英語・中国語・ポルトガル語・韓国語
http://emis-miyagi.jp/index.php

●NHKワールド17言語ニュース NHK WORLD In 17 other languages
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/english/info/select.html

●多言語地震関連情報ツイッターサイト「かんたんな にほんご」
http://p.diim.jp/

●FMわぃわぃ:多文化・多言語コミュニティ放送局。世界の10言語で神戸・長田から放送。
http://www.tcc117.org/fmyy/index.php

★追加(2011年3月16日 22時30分)

●日本の原発について 英国大使館「日本の原発について」2011年3月16日 14:46 Tom Vincentさん作成
http://clip.kwmr.info/post/3896045912

●BCCJ Members Update on Japan’s Nuclear Power station situation
http://bit.ly/eKvdSb

●日本語教師YMのblog 「地震の情報] 原子力発電所について」
わかりやすい日本語で、原子力発電所についてまとめてくださっています。→http://bit.ly/fWItxe
注:画面の右側は、このブログを書いている先生が教えている学生さんへの連絡です。

| | コメント (4)

非実在青少年

東京都議会が議論している「青少年健全育成条例」の改正。

この中で、注目されているのが「非実在青少年」の問題。

なんでも、マンガやアニメの中に登場する人物の中で、「服装や持ち物、声などから18歳未満と見られる人物」のことをいうらしい。

その「非実在青少年」が、マンガやアニメの中で、みだらな行為をしたりする場面があるものは、青少年の健全な育成にはよろしくない、ということで、規制をしようとしている、ということのようだ。

これに対し、マンガ家などが「表現の自由を規制するものだ」と、反対を表明した、というニュースが2、3日前にありました。

「規制は、だいたい、こういう、もっともらしいことや、みんなが反対しにくいところから始まる。そして、一度認めると、あとは知らぬうちに規制が強まっていく。だから、もっともらしいことを言っている規制案は、よほど気をつけて見ていかないといけないんです」

――昔、大学で、「マスコミの倫理と法制(略して、「マスりんぽう」と言ってました)」という授業で、先生が言っていたことが思い出されました。

「18歳未満に見える人物」といっても、まっこと主観的。ということは、主観で、どうにでも解釈可能で、なんでも違法にすることも不可能ではない、ということ。

マンガの内容は別問題として、この規制案は認めちゃいかん、と思う。

私たちが毎月出している『中上級のにほんご』のマンガ「多辺田家が行く!」で、留学生のビーフくん(19歳)が、高校生のあずきさん(17歳)に、心ときめかすのも、あずきさんが17歳だから、拡大解釈されて「18歳未満の青少年を性的対象としておる。これは劣情であり、けしからん!」なんてことになりかねないもんね。

| | コメント (2)

「キメラ」って、なんなのらー?

「キメラ」――ウルトラマンに出てくる怪獣の名前のようですが、違います。

「キメラ」とは、1つの個体の中に異なる遺伝情報を持つ細胞が混ざっていること。

ギリシア神話に出てくる、頭がライオン、胴体がヤギ、尾がヘビ、という「キマイラ」という想像上の動物がいて、それが語源だそうです。

……と、前から知っていたように書きましたが、実は私、昨日、初めてこの言葉を知りました。きっかけはこのニュース

皮の色が左右で、緑とオレンジにきれいに真っ二つに分かれたミカンが、和歌山県の農家でみつかった、というもの。上でリンクしたニュースでは、写真も出ています。

片方だけに日が当たったのか、あるいは、半分を紙などで覆っていたのかな、と、最初思ったのですが、遺伝子のなせる技だとは。

気になって調べてみたら、花などで「咲き分け」になっているもの、ありますよね。ああいうのも「キメラ」による現象なのだとか。

そういえば、左右でくっきり花の色が違うウメや、色が混ざったオシロイバナなどを見たことがある。それもどうやら「キメラ」らしい。

植物の場合は、接ぎ木をしたり、というのが原因の一つとしてあるようです。

驚いたのは、人間にもキメラはあるということ。詳しくはWikの「キメラ」に出ています。

世の中、知らないことがまだまだあります。

| | コメント (2)

青いバラ、いよいよ発売だそうです

昨日、今日と、『中上級のにほんご』11月号の最終校正。今月も、あともう一歩まできました。最終チェックの前に、ちょっとだけ息抜き。

サントリーが開発したという「青いバラ」。いよいよ11月3日から一般販売される、というニュースを見ました。プレスリリースはコチラ

1本2000円~3000円だって! 高い! 

でも、開発の苦労からすると、これでも安いのかもしれませんね。

今は、青というより紫色。そのうち、空の色のような青いバラ、できるのでしょうか。

ちなみにこのバラ、花言葉は、「夢、かなう」、だそうです。→ コチラ

| | コメント (2)

それは本末テントウムシのサンバでしょう!

今朝のyahooニュースで、目をひかれたのが「羽のないテントウムシを遺伝子操作でつくった」というもの。

テントウムシくんは、アブラムシなどを食べてくれるありがたい益虫。農薬を使うかわりにテントウムシを買ってきて、畑に放して虫を食べてもらう、という取り組みもなされいると聞きます。私も自分の畑にいるのをみると「よし、よし」と思う。

でも、テントウムシは羽があるので、畑にとどまっておらず、どこかに行ってしまう。そこで、畑にとどまっているよう羽のないテントウムシを作ることに「成功した」、ということ。ソースはコチラ

羽のないテントウムシの写真を見て、私は絶句しました。あまりに痛々しい……weep

しゃれてる場合じゃないですが、それこそ、本末テントウムシのサンバ! こんなにしてまで無農薬農法をするんだったら意味ないんじゃないかな。

それでも、これは農家の人にとって朗報なんでしょうか……。わかりません。

| | コメント (2)

2009年7月の日本語能力試験

日本語を母語としない人のための日本語能力を測る試験「日本語能力試験」が、来年2009年から、7月と12月の年2回の実施になる、という情報が「月刊日本語」(アルク)の6月号に掲載されていました。

仕事柄、関心をもっているのですが、今日、国際交流基金のHPを確認したところ、下記「日本語能力試験のひろば」というページに、最新ニュースとして、「新しい試験開始の延期と2009年の予定について」という告知がありました。クリックすると、ウインドウが出てきます。

http://momo.jpf.go.jp/jlpt/home.html → 【追記】(2008年10月12日):国際交流基金の日本語能力試験のページが移動しました。新しいページはコチラです。

2009年7月の試験は、1、2級だけで、日本と中国、台湾、韓国だけで実施する旨が書かれていました。(2008年5月15日 午前10時20分現在確認)。どの都市で行われるのか、などといった詳しいことは書かれていませんでした。HPに出ている、ということは決定したんだよな。

国内実施をしている日本国際教育支援協会のHPもご参照ください。2009年から年2回実施の旨、書かれています。

http://www.jees.or.jp/jlpt/jlpt_guide.html

日本語能力試験改定に関する中間報告(第2回)も、今月24、25日に、首都大学東京で行われる日本語教育学会春季大会で行われる予定(学会のプログラムに出てました)。ここでもっと詳しいことが報告されるのでしょうね。

| | コメント (0)

日本語能力試験、来年から年2回実施に

Gn0807_hyoushi22008年4月号から、編集に関わっている『月刊日本語』(アルク)の最新号6月号が届いた。今回の特集は、「こどもの日本語教育」。

今回、特に興味を持ったのが、44~47ページに掲載されている「国際交流基金日本語教育スタンダード」に関する記事だ。

国際交流基金が、現在、「日本語スタンダード」の作成を進めているのは、すでにいろいろなところで紹介されている。

その新しいスタンダードに基づいて、日本語能力試験が改訂され、2009年12月から実施される予定だったのだが、外交筋などから、年複数回実施の要望の声が高まり、そちらが優先されることになった、ということ。

具体的には、今年2008年12月の試験のあとは、2009年7月に実施されるという。その次は2009年12月に実施される。つまり2009年は年2回、試験が実施されることになった、ということだ。ただし、スタンダードを反映した初めての試験は、2010年7月からの試験になる。

詳しくは『月刊日本語』の記事を読んでいただたほうがよいだろう。

●追記(2008年5月7日):実施が年2回になるという件は、財団法人日本国際教育支援協会の日本語能力試験のHPにも掲載されています。

「外交筋の要望」って、何かな~、と思ったのだが、2008年5月1日の朝日新聞夕刊に、外務省が、日本語能力の高い外国人は、入国・滞在で優遇措置を取る方針を固めた、とあった。http://www.asahi.com//update/0501/TKY200805010136.html

この制度は、来年度からの実施を目指す、とあって、肝心の日本語能力の判定には、日本語能力試験などを利用する、と書かれている。こういうのも関係しているのかな。

試験の回数が増えること自体は、受験機会が多くなるので、学習者にとってはいいことだろう。確かに年1回の試験じゃ、ビジネスや就職などで、すぐにでも能力を証明したい人にとっては不便だもんな。

そういえば、ビジネス日本語といえば、ジェトロが実施する「BJTビジネス日本語能力テスト」も、民営化のために入札が行われ、どこぞの大きな組織が落札した、と聞く。

日本語能力に関する試験も、今後、いろいろと動きがありそうだ。注視していきたい。

**********************************

| | コメント (0)